脱ファッション初心者 ④ ドレススアイテムとカジュアルアイテム 【2019年版】
今回は、脱ファッション初心者第4弾のドレスアイテムとカジュアルアイテムについて書いていく。これまでと違って少し難易度が高くなるが、かなり重要な話だし、社会人の着こなしのマナー的な部分も軽く触れているのでぜひ読んで欲しい。
基本的なドレスアイテムとカジュアルアイテム
まずファッションアイテムには「ドレスアイテム」と「カジュアルアイテム」があり、基本的な考えとして「ドレスアイテム」はスーツスタイルに近いアイテム。
要するに、
- チェスターフィールドコート
- テーラードジャケット
- ベスト
- シャツ
- ネクタイ
- 革ベルト
- スラックス
- 革靴
- ホーズソックス
- ブリーフケース
何かが代表的なドレスアイテムで、「キレイめ」とか「コンサバ」とかも言われたりして大人っぽく見えるようなアイテムだ。
対して、「カジュアルアイテム」はドレスアイテム以外のアイテムでスーツスタイルからより遠ざかっていくもの。
要するに、
- ダウン
- レザージャケット
- パーカー
- Tシャツ
- 革以外のベルト
- ジーンズ
- スニーカー
- くるぶしソックス
- リュック
とかのアイテムになるわけだ。
その中間でどちらとも言い難いのが、
- ステンカラーコート
- トレンチコート
- セーター
- チノパンツ
とかのアイテム。
ドレスアイテム
「 チェスターコート」「スーツ」「テーラードジャケット」「ベスト」「シャツ」「ネクタイ」「革ベルト」「スラックス」「革靴」「ホーズソックス」「ブリーフケース」
中間アイテム
「ステンカラーコート」「トレンチコート」「セーター」「チノパンツ」「カーディガン」
カジュアルアイテム
「ダウン」「レザージャケット」「パーカー」「Tシャツ」「革以外のベルト」「ジーンズ」「スニーカー」「くるぶしソックス」「リュック」
で基本的な考えとして、「ドレスアイテム」と「カジュアルアイテム」を合わせるのはNGってことを覚えといて欲しい。
「ドレスアイテム」には「ドレスアイテム」を、「カジュアルアイテム」には「カジュアルアイテム」を合わせるのが基本中の基本。
基本NG
「テーラード」×「Tシャツ」
「チェスターコート」×「ジーンズ」
「パーカー」×「スラックス」
OK
「テーラード」×「スラックス」
「パーカー」×「ジーンズ」
まあOK
「テーラード」×「チノパン」
「セーター」×「ジーンズ」
「え?NGのコーデ普通に街中で見かけるじゃん」
と思った人も多いだろうと思う。実はその通りで絶対ドレスアイテムとカジュアルアイテムを合わせてはいけないかというとそうではない。
それを次で詳しく見ていく。
詳しく迫る「ドレス」と「カジュアル」
まずカジュアルは分かるとして、「ドレスってなんやねん?女の人が着るやつでしょ?」と思う人もいるかもしれないから一応言っておく。
「ドレススタイル」とか「ドレスアイテム」略して「ドレス」って言われるのは、「正装」の事で、よりフォーマルな場(冠婚葬祭)なんかで着用するアイテムという事。
※以下ドレスで統一
だから最もドレスなアイテムは、「モーニングコート」とか「タキシード」とかで新郎とかその親族とかが良く着ているアイテム。(モーニングコートってのは、首相官邸なんかで大臣とかの政治家が着るようなコートのあれね。)
※因みに「モーニングコート」が朝や昼の正装で「タキシード」は夜の衣装だから、稀に見るタキシードを昼に着ているヤングなピーポーはみんな間違っているよ。
ここからは、「ドレス」は「ドレス」でもよりカジュアルに近いような「ドレス」やよりドレスに近いドレスってのを見ていく。
さっきもいったいった様に最もドレスよりのドレスアイテムは、モーニングコートやタキシードだから、こんなことする人はいないとは思うけど、
「タキシード」×「スニーカー」
なんかは最悪で論外。
じゃあ一体どんなものがよりドレスに近くなるかだけど、基本的には
- 素材
- 編み方(ニット)
- 襟型
- アイテムそのもの
- アイテムの生地の面積
- 色
- デザイン
- その他
なんかで決まる。(本当はもっと細かいがとりあえずこの辺を覚えておけばOK)
これじゃあ意味わかんないだろうから、素材から順に説明していく。(アイテムそのものについては上で示した通りなので省略)
素材
この素材については書き出したらキリがないので、かなり絞って覚えておくべき要点だけ書いていく。
まずは、小物やバッグの例で見ていく。
小物やバッグでの説明は簡単で一番ドレスに近いのはとにかく「革素材」の物がよりドレス(フォーマル)で、「表革(スムースレザー)」が最もドレスに近くなる。
(左 黒表革ベルト 茶スウェードベルト 紺ポリメッシュベルト)
つまり、ベルトなら一番左側の黒表革ベルトが最もドレスなベルトで、真ん中の茶スウェード(裏革起毛)が中間くらい一番右が最もカジュアルになる。
因みに小物で言うと、最もドレスな色は「黒」次いで「茶」次いで「それ以外の色」
つまり、この2本なら左の方がよりドレス(フォーマル)という事になる。
バッグ例えば、リュックなんかでも同じで革のリュックの方がよりドレスで、それ以外の布地のリュックの方がよりカジュアル。
※リュックというアイテム自体がカジュアルなので、いくら「革のリュック」でも、アイテム自体がドレスな「ナイロンのブリーフケース」よりドレス度が低い。スーツにリュックの通勤スタイルが増えてきてはいるけど、もし仮にスーツに合わせるなら「黒革のリュック一択」でそれ以外は論外。
腕時計のベルトも「鉄製時計ベルト」より、「革製時計ベルト」の方がドレス(フォーマル)なので「鉄製」の方がドレス(フォーマル)と思っている人は結構多いが、間違い。
また、「黒の表革」なら何でもよりドレスに近いかと言われると、そうではなくて基本「牛革」が最もドレス(フォーマル)できめ細かな牛革(ツルツルに見える革)がよりドレス。この画像なら左の方がよりドレス(フォーマル)という事。
だから、革って時点で布系のベルトよりはドレスってことになるんだけど、「牛スウェード(裏革起毛)」と「クロコダイル表革」ならどっちがドレスなの?と言われると少し微妙な問題。
小物は大体こんな感じ。
次にシャツも革と同じで素材としては、「綿」か「麻」になるが、とにかく糸の細いものがよりドレスで、糸の細いのがよりカジュアル。
左 細番手糸 右 オックスフォード(厚手)
結構アップにしたがそれでも分かりにくいかもしれないが、「光沢があってツルツルな感じ」がドレスよりで「マットな質感でザラザラな感じ」がカジュアルよりって事。
つまり、「ツルツル光沢系」が革靴やスラックスに合いやすくて、「ザラザラマット系」がジーンズやスニーカー似合いやすいって事。
※これはカジュアルシャツの中の素材の話のため、ザラザラマット系でも、そもそもドレスシャツ(ビジネスシャツ)をジーンズに合わせるのはNG。
編み方(ニット)
ニットはどんなものがよりドレスかといえば、ハイゲージ(細かい編み目)が最もドレスよりで中間がミドルゲージ、最もカジュアルなのがローゲージ(ざっくり編み目)という事になる。
(断面)左 ハイゲージ 右ミドルゲージ
※ローゲージの分かりやすい画像がなかったので、ローゲージよりのミドルゲージをチョイスさせてもらった。
要するに、左の方がスラックスと合いやすく、右の方がジーンズ似合いやすいという事ね。
襟型
襟型はシャツとニットに分けて解説する。
まず、シャツの襟型は種類がおおすぎるので、ざっくり最もドレスな襟型と最もカジュアルな襟型だけ、紹介する。※因みに先ほどとは異なり、今回はドレスシャツでの話
馴染み深い襟型の中で、最もドレスな襟型が「セミワイドスプレット」、最もカジュアルなのが「ボタンダウン」だから冠婚葬祭でボタンダウンシャツを着るのは、明確な間違いでやってはいけないし、少しでもドレススタイルに詳しい人なら、通常のスーツにボタンダウンシャツを合わせる事は殆どない。(ワザとテクニックとして用いる人はいる。)
つまり、左は普段のスーツスタイルとか冠婚葬祭に合わせるようなシャツで、右はジャケパンスタイルの様なときに用いるって事。
これ知らないとジャケットの一番下のボタン留めてるときと同じくらい恥かくし、一緒にいる人にも迷惑かけるから、これだけは覚えておいて!(これは着こなしうんぬんよりマナーの問題。)
ジャケットの一番下のボタンとめてる人もたま~に見かけるけど「たとえ太陽が西から東に昇ろうが、一番下のボタンは留めない」って格言まで存在するからね。(モードなジャケットで留めるようにデザインされてるものや女性の場合は別)
次にニットの襟型(ネック型)だけど覚えておくのは「Vネック」「クルーネック」「タートルネック」くらいでOK。
最もドレスなのは「タートルネック」僅差でVネック、圧倒的にカジュアルなのが「クルーネック」
左 タートル 右クルー
だから、生地って観点から見るとさっき右がスラックスとかに合いやすいと言ったけど、襟型って観点から見るとこの2枚なら「左」がスラックスに合いやすく、「右」はチノパンなどが合いやすい。
アイテムの生地の面積
これも基本的な考えとして生地の面積が多いほどよりドレス(フォーマル)ってのが大体のお決まりで、先ほどのタートルネックが最もドレスなのもこの考えに基づくものだ。
他の例で挙げるならテーラードジャケットで「シングルブレスト」のジャケットより「ダブルブレスト」のジャケットの方が、よりドレス(フォーマル)に近いのはこの考えに基づくもの。
他にも「ツーピーススーツ」より「スリーピーススーツ」の方が、よりドレス(フォーマル)に近いのもこの考えに基づくものだ。
左 シングルブレスト2ピース 中 シングルブレスト3ピース 右 ダブルブレスト2ピース
分かりにくいかもしれないが3ピースというのはスーツ+ベストって事で、ツーピースは普通のスーツの事。
つまり、より正式な場では真ん中か右を着用し、通常の出勤時などが左の様なスーツを着るという事が望ましいという事。(でも実際はこの3つなら左だけで着てればOK。真ん中や右は、30~40代で役職とかついたら考えてもいいかなって程度。)
色
「革製品」なら、素材の所でもふれたように最もドレスな順に「黒」で「茶」で「それ以外」の色。
「スーツ」なら、最もドレスな順に「黒」(冠婚葬祭限定)「ダークネイビー」「ダークグレイ」(少しかしこまった面接等)「ネイビー」「グレイ」(通常使用はここまで)「ライトブルー」「ライトグレー」「ブラウン」「ベージュ」(職場によっては)「その他色物」(ファッションショー等)
「シャツ」なら、最もドレスな順に「白」「サックスブルー」(通常時用はここまで)「淡いピンク」(職場によっては)
他は別に色でドレスかカジュアルか分かれるって事はあんまりない。あえて言うなら「暗い色」がドレスよりで「明るい色」がカジュアルよりかなってぐらいで特に気にしなくてもOK。
デザイン
これは、何もないシンプルなデザイン程、ドレスよりになっていくのが基本原則。
例えば、「シャツ」なら最もドレスな順に「無地」「ストライプ」「チェック」「その他柄もの」になっていき、柄の主張が少ない方がドレスよりになる。
この画像の左上から順にドレス度が高く右下が一番カジュアルよりという事。
左上から3番目まではビジネスで使えるシャツで、スーツやジャケパンスタイルに使い、4番5番は職場によってはOKなシャツで、最後の三つはカジュアル仕様(特に最後2枚は)
「タッタソール」「ウィンドペン(画像5番目)」等は例外だが、基本は「チェック柄」が大きくなればなるほど、「ストライプ」も太くなればなるほどカジュアル仕様になる。
例えば「コート」なら、
左から最もドレスな順で、一番左はチェスターコートでアイテム自体が最もドレスアイテムだから。2番目と3番目の差はコートのボタンが見えないデザインの方がドレスだから。3番目と4番目は殆ど一緒。一番右は柄の大きさ。
因みに左4つはスーツの上から着てもOK、1番目と2番目はドレス度が高いが、3番目と4番目はそれなりにカジュアルアイテムにも合うし、一番右は職場によってはスーツの上でもOKだが、殆どはカジュアルライクなアイテム。
例えば、「ジーンズ」なら
左に行くほどドレスよりのカジュアルで、右に行くほどカジュアル度が増す。
つまり、「左のジーンズ」ならローファーの様な(ドレスアイテムの中でもカジュアルより)革靴を合わせるのも昨今ではアリ。「真ん中のジーンズ」ならスニーカーなんかが合いやすく、「右のジーンズ」ならカジュアル度が高く野性味あふれるワークブーツなんかが合いやすい。
その他
例えば、靴の事にしても「革靴の種類」だけで言っても、
「ストレートチップ」「プレーントゥ」「Wチップ」「Uチップ」「スワールトウ」「ホールカット」「シングルモンク」「ダブルモンク」「トリプルモンク」「チャッカーブーツ」「ジョージブーツ」「サイドゴア」「コインローファー」「ビーフロールローファー」「タッセルローファー」「キルトタッセル」・・・・
今思いついただけでこれくらいあったので詳しくは別記事に書くとして、大事な事だけいうと、最もドレスなのは「内羽根式ストレートチップ」で「Uチップ」はカジュアル向けという事だ。
左 ストレートチップ 右 Uチップ
左は冠婚葬祭からあらゆるビジネスシーンでの使用が可能だが、カジュアルシーンに使うのだけはNG。
右は勘違いしている人多いけど、かなりドレス度が低くなるから、スーツに合わせるのは本来NGでジャケパンスタイルくらいがOK。
実際のコーディネート例
基本は最初に言った通り、カジュアルアイテム×カジュアルアイテム、ドレスアイテム×ドレスアイテムが基本で自信がない内はそれ以外はやめた方が良い。
しかし、それでは今回学んだことが糧になってないので、今回記事で伝えた事をもとに「ドレスアイテム×カジュアルアイテム」を使ったコーディネートを1つ読み解いていく。
使っているアイテムは、「①テーラードジャケット」「②ポケットチーフ」「③鉄製ベルト腕時計」「④指輪」「⑤シルバーバンクル」「⑥Tシャツ」「⑦ジーンズ」「⑧スニーカー」の8アイテム。ドレスカジュアルに分けると、
ドレス
「テーラードジャケット」「ポケットチーフ」
中間
「鉄製ベルト腕時計」「シルバーバンクル」「指輪」
カジュアル
「Tシャツ」「ジーンズ」「スニーカー」
このコーディネートのポイントはいくつもあるが、今回注目したいのは殆ど中間に近いアイテムを使っているという事。
例えば、テーラードジャケットは本来ドレスアイテムだが、デニムの様な生地のジャケットのため、かなりカジュアルに近いドレスアイテムになる。
これが例えば、
こういうジャケットだったらドレス度が上がってしまうので、「Tシャツ」等は合わせにくくなり、このコーディネートのバランスが崩れる。
Tシャツではなく「シャツ」かせいぜい「ポロシャツ」になり、パンツは「チノパン」靴は「ローファー」なんかになってバランスをとるだろう。
他にもこのデニムも、殆どチノパンの様な質感だがプリーツがないのがこのコーディネートの絶妙なバランスをとっているとも言え、今回は説明を省いたがプリーツが入るとドレスどが高くなる。
つまり、似たようなパンツでも
こういうパンツ中央にヒダの様なものがついた「プリーツパンツ」を用いても、バランスが崩れてしまうだろう。
他にも、このコーディネートに「革製ベルトの腕時計」をしてもドレス度が高くなり、バランスが崩れるし、ご自身の「髪の色」や「髭の色」も計算に入れたうえで、「青」と「白」のみの配色にこだわっているので、「黒」や「茶」の革ベルトはまずしないだろう。
他にも細かいテクニックがちりばめられているが今回の議題とは別の話なので、やめておく。
つまり、ジャケットなんかの「ドレスアイテム」を「カジュアルアイテム」と合わせたいなら、「大柄のチェックのジャケット」や「麻やデニムの様な(そもそもカジュアルな生地)ジャケットなどを用いてカジュアルダウンする必要があるという事だ。
※バランス感覚が必要になってくるから現段階ではオススメしない。
脱ファッション初心者①~③も読んでね~。
ではこの辺で