コーディネートの基本

就活における最適なリクルートスーツの選び方【2019年版】

この記事は、

「各業界で使えるか、コストパフォーマンスに優れるか、就職後も使えるか、面接で高評価を得られるか・マイナス評価を受けにくいか、単純にかっこいいか、実際の失敗談、etc」

など様々なことを考えた上で正解を導き出していく。

 

SPI対策、ECの書き方、自己分析…などを教えてくれる人は多いけど、結構大事なのに服装の事を教えてくれる人ってあんまいないんだよね。(畑違いと言うか…)

 

 

何着持つべきか

2着は必ず必要。

「なぜ2着必要なのか?」

1着で運用しようとすれば、予定が連日続けばにしわくちゃになる上に、何かしらのトラブルで汚れてしまったとしても、明日も同じスーツを着ないといけないため。

色々な就活本でも言われている通り、面接の合否は第1印象の3~7秒で決まると言われるほど大切で、相手の立場になれば分かる筈。

例えば、同じような条件のA君とB君の2人がいたとして、しわくちゃのスーツを着たA君と、パリッとしたスーツを着たB君どちらを採用するか?

考えるまでもなく95%の人は、B君を採用する。

もちろん中身をしっかり見ようとする面接官もいるだろうが、それはそもそも応募人数が少ない時の話で、第1次面接などは殆ど印象で決まると言える。

1次面接は異様に強かったから間違いない!!1次面接は…(笑)

 

就活時の失敗の1つとして、スーツのジャケットとパンツ1組ずつの物を買うより、ジャケット1着とパンツ2本のセットを買う方が後々はかどる。

…と言うのも経験者に聞けばわかると思うが、スーツは確実にパンツの方が消耗が早く、上下で1セットなため、パンツがダメになってしまうとジャケットだけ単品で使うには、結構なセンスが必要になるからだ。

実は、スーツとして売っている(パンツありきの)ジャケットと、単品のジャケットとして売っているものでは、着丈など微妙な部分が色々と違っている。

スーツジャケットを単品で使おうものなら、お洒落さんでない一般人でも違和感を感じるほど変になるため、単品で使うのは絶対にやめておこう!

できればパンツとセットの方が良いけど、実際パンツ2本セットで売られているのはあまり多くはないので、頭の片隅に入れておく程度に。

 

予算はいくらか

2万~3万(1着)

2着必要なため、最低でも4万~6万は必要という事。

「何故2~3万なのか?」

まずざっと相場なんかを調べてみればわかると思うが、2~3万と言う金額は、スーツの値段でいうと10段階で2程度の破格の安さだ。(10段階の10なら、1着100万越え)

ただし、最もシェアが多い…つまり売れているのもまたこの価格帯であると言える。

つまり、どの会社も力を入れる最も争いの激しい価格帯でもあり、各社が競争することで煮詰まって結果完成度が高くなっていくというわけだ。

逆に言えば、競争の少ない価格帯はコスパにはすぐれない。(商店街に1店舗しかない八百屋と、10店舗ある肉屋では、肉の方が質が高くなるのは当然の事。)

 

よって、最もコストパフォーマンスに優れるのは2万~3万のスーツ。

ただし本当の事を言うと、1着3万はかけてほしい所。なぜなら2万円は本当に削るべき所を全て削った結果の完成されたスーツではあるが、生地や細部などのちょっとした部分は全くこだわれないため。

例えるなら、車の自動ブレーキシステム・ナビ・ディーゼルエンジンorハイブリッドエンジンなど諸々の機能や装備を取っ払っているが、普通に運転する分には何も支障がないというのが、2万円のスーツと言う感じ。(3万ならもう少しは融通が利く。)

※スーツの予算が4万円なら、4万を1着ではなく2万を2着買うべき

 

(価格による質の変化※主観)

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もちろんスーツを知り尽くした人が、あらゆる方法で探し回ればこの表に書いている事はひっくりかえせるが、時間・知識・労力・根気が必要。

同じ失敗をしてほしくないので言っておくが、素人は5~8万のスーツには絶対に手を出さない事。理由は一番コスパに見合わない失敗が多い価格帯のため)

 

何色を買うのか

濃灰と濃紺の2パターン。

「なぜ濃灰と濃紺の2色なのか?」

就活だけで使うのではなく、就職後も使っていく事を考えるとこの2色はどの業界においても万能でもっていて損はないスーツ。(就職後に、この2色のスーツを着ていけないという業界は存在しないと断言する!!)

というより各業界の仕事をする上で、いつ・いかなる時でも使えるのはこの2色だけしか存在しない。

 

ただし、就活をする上では黒が正しいと思っている(本来は間違っている)人達も増えてきているので、心配なら「黒と濃紺」の2色にした方が良いだろう。

誤用が通用になるのは、国語の「慣用句・諺」などでもよく見られる現象なので、あまり意固地に黒が就活に使われるのはオカシイと力説しても無意味。

 

※因みに、大学内の就職アドバイザー的な人に「濃灰のスーツは就活で使えるか?」的な質問をしてもそういう人達は、スーツのルールには詳しくないから意味がない。

(実際色々な人に聞いてみたが、ごにょごにょ濁された)

さらに言っておくと、スーツ量販店の人や百貨店の人は、悲しい事に全然スーツのルールに詳しくない。ゴージラインやラペルのなどの基本的なディティールについて尋ねても怪しい上に、あまり色々聞くとメンドクセェ客扱いされる(笑)

しかし、面接官を経験した事がある人5人に「濃灰のスーツを着た就活生はどうか?」と聞いたことがあるが、「常識の範疇なので、採用する上でのマイナス評価になることはない。むしろ印象には残るね」てきなポジティブな回答が多かった。

 

よって、オススメは「濃紺・濃灰」の2色。どうしても不安なら「黒・濃紺」の2色。

(一応言っておくと、ダボダボのシワシワスーツをきたおじさんでも濃紺をダメという人は存在せず、むしろ黒のほうがダメというくらい、濃紺は間違いない

 

 

どこで買うか

スーツ量販店。(青山商事・AOKIホールディングス・コナカ・はるやま商事など)

「なぜスーツ量販店か?」

理由は簡単で、スーツを作ることに特化しているから。「餅は餅屋」という諺があるように、肉屋が作る「餅」と餅屋が作る「餅」では、一般的に言って後者の方が旨いに決まってる。

もう少し細かく言えば、以下の5点。

  1. 生産体制の違い(スーツを100着作る場合と、スーツを10着作る場合、大量生産できる方が1着あたりの単価が安くできる、さらに委託でなく自社で作っているともなれば、さらにコストを下げることが出来る)
  2. ノウハウ(スーツをだけを作り10年と、片手間でスーツも作り始めましたでは、明らかに前者の方がノウハウを持っている)
  3. ブランド代がかからない(そもそもなぜ2万で最低限のスーツが作れるようになったかと言えば、余計なブランド料・デザイン料などを取っ払ったうえで、競争が激化したことによる企業努力があるからこそ。)
  4. 価格帯で並んでいる(19,800円・29,800円・39800円などの価格別に並んでいるため、買い手が選びやすい)
  5. Y・YA体、 A体 AB体、 BB・BE体など体系別に選べる(表記がSML表記でないため、同身長でもサイズが合わないなどの問題が起きにくい)

 

つまり、1番ダメなのは中途半端なブランドもののスーツを買う事。5~8万のブランドは本当に質が低く、スーツ量販店の3万のスーツに遠くおよばない質。

実際に何着か持っているからわかるし、高い勉強代になった…ポジティブに捉えれば失敗があったからこそ色々勉強したんだけどね。

次にダメなのは、セレクトショップ系のブランドで買う事。これは何故かというと、

1つは、良いものも多いが、微妙なのも多いので、買い手側に知識が必要な事。

もう1つは、就活や会社向きではなく、ファッションとしてのスーツという側面が大きいから。(アパレル系やイケイケの会社なら使えるかもしれないが、どちらかと言えば気合入れた日の普段着などで使うスーツが多いから。)

 

スーツ量販店紹介

先に言っておくと、どのブランドも甲乙つけがたく突出してオススメという事はない。だから、今回紹介する中で最も自宅近いブランドで買えばそれでOK。

※ネットで買うのは絶対にNGで、必ず試着してから買う事!!

2017年時点で、ダイヤモンドオンラインさんが便利な比較をしてくれているので載せさせてもらう。

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全8社を対象に、スーツショップで自分用のスーツや礼服を購入、または商品選定に関与し、家族などに購入してもらったことがある18歳以上の男女、1574人に基づく(ただし、オーダーメイドスーツ購入者は対象外とした)出典:ダイヤモンドオンライン

 

1.青山商事(THE SUIT COMPANY)

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青山商事の手掛ける若者向けのスーツブランド【スーツカンパニー】

個人的には最オススメの1つで、近くにスーツカンパニーがあれば、まずはココに買いに行こう。(AOYAMA本家よりコッチの方がオススメ。)

【ユニバーサルランゲージ】という同じく青山商事が手掛けるブランドと、並列されている店舗もあるが、ユニバーサルランゲージの方が少しお高い。

公式サイト

https://www.uktsc.com/top/CSfTop.jsp

 

2.AOKIホールディングス(ORIHICA)

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AOKIホールディングスが手掛けるブランド【オリヒカ】

同じくオススメのブランドで、世間的には2プライススーツ*1今回紹介の4大ブランドの中で、使用者から最も支持を得るブランド。(同じくAOKI本家よりオススメ)

公式サイト

https://www.orihica.com/

 

3.コナカ (SUIT SELECT)

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コナカが手掛けるブランド【スーツセレクト】

他の4大ブランドとの違いは、今風の最もスタイリッシュで細身のスーツが多い事。好みの問題もあるが、やせ型の男性には最もオススメのブランド言えるかもしれない。

公式サイト

http://www.suit-select.com/

 

4.はるやま商事(P.S.FA)

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はるやま商事が手掛ける【パーフェクトスーツファクトリー】。

5大ブランドの中でも、店舗数・発足年・人気度など諸々で判断して、2~3番手と言う印象だがオススメブランドの1つであることは間違いない。

公式サイト

https://perfect-s.com/

 

 

テーラー紹介

スーツ量販店以外のもう1つの選択肢として考えてほしいのが、このテーラーだ。

違いは、スーツ量販店が既製品であることに対し、テーラーはオーダーメイド(貴方のためにサイズを測ってあつらえたスーツ)な事。

他の違いとしては、納期・価格などで、納期も長く価格も高い分クオリティが高いというのがテーラーの特徴。

※今回紹介するのは、本格的な20万~30万もするような本格的なフルオーダーでなく、イージーオーダーと言われるお財布にも優しいお手軽版。

 

1.オンリー(ONLY)

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オンリーが手掛けるブランド【オンリー】※旧【The@SUPER SUITS STORE】

2着38,000円のミニマルオーダーが超オススメで、オプションを「採寸」と「生地」だけに絞る事で、価格を抑えている。納期が2か月という事がネックだが、4万円で必須の2着が買える上に、更にオーダースーツという事を考えれば、圧倒的にコスパが高い!※既製品も少ないが存在する。

公式サイト

https://ec.only.co.jp/tm/

 

2.メルボメンズウェアー(麻生テーラー)

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メルボメンズウェアー手掛ける【アザブテーラー】

1着40,000円~と今回し紹介する中では高い方だが、イージーオーダーとしてみれば、破格の安さを誇る。納期はおよそ4週間で、基本の3モデルの中から選ぶことができ、オプションで金額は上がるが他にも色々と選ぶことが出来る。

公式サイト

https://www.azabutailor.com/

 

どんなスーツを買うか

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出典:ONLY

スーツの世界はこだわりだすと本当にキリがないので、知っておくと便利かなという最低限の情報を書いていく。

本当はもっと書きたいところだが、スーツを勉強するあまり就活に手をかけられない様じゃ本末転倒なので、答えを初めに示しておく。

☝画像の様な感じ。色はもう少し濃くていい

  • 2ボタン(3ボタンでも悪くはないが、主流は2ボタン)
  • 3ポケット(2フラップ(蓋つき)ポケット)
  • ノッチドラペル(こういう襟の事)
  • シングルブレストのスーツ(こういうスーツの事で、ダブルはNG)
  • 濃紺・濃灰のスーツ(こういう色だがもう少し暗い色でもOK)
  • 無地・無地に近い柄(後述参照)

とりあえずこれが守れていれば、それでOK。

何故なら、シンプルに言ってしまうとこれが現在のスタンダードな仕様で、あまり変な事をしてしまうと悪目立ちするため、就活生の内はやめた方が良い。

※パンツのプリーツ*2の有無や、仕上げのシングルorダブル*3については、ノープリーツ・シングル仕上げが無難。(プリーツ付きやダブル仕上げの就活生は100人に1人いるかいないか)

 

柄について【重要】

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「ストライプがOKなのか?」と言う質問がネット上で多いような気がするので、言っておくとやめた方が良い!

どれくらいやめた方が良いかと言うと、濃灰のスーツがNGならストライプはもっとNGと言うような感じ。

つまり、別にそれほど悪いわけではない。しかし、この辺りが「就活生」と「正社員」の線引きと考える人も多いので、濃灰のスーツはOKだが、ストライプはNG。

※ただしシャドーストライプ(遠目から見ると無地に見える柄)は例外としてOK

 

肩のライン【重要】

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とりあえずここだけは見てくれという点が、肩のライン。(本当はもっとあるが今回紹介したブランドやお店ならクリア済み)

肩に吸い付くような、滑らかな曲線or直線を描くスーツがいい。

と言うのも近年、肩パットなどを取り除き、軽さに重点を置いた「アンコンジャケット」と言われるものが流行っているが、グニャっと肩のラインが曲がったような「アンコンジャケット」が結構多い。

しかし、肩のラインがグニャっとなったジャケットは一番ダメな例。「ジャケットは肩で着る」という格言もあるくらい肩のラインは重要なので注意。

※因みに、このジャケットは肩のラインがグニャっとなるダメなジャケットなので、着てみるまでは本当に分からない

 

ラペルの幅(+α)

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ジャケットの顔ともいえる「ラペル」は見た目に大きく影響する要素。

ラペル(えり)の幅は、太いほどクラシックになり、細くなるほどモード(ファッション的)になる。この幅が7㎝より細い(ナローラペル)ものは、最早仕事でつかえる類のジャケットでなくなり、ファッション用のジャケットになる。

適切な幅は、7.5㎝~8.5㎝で、着こなしのルールの1つに、

「ネクタイの大剣(太い方で結んだときに前に来る方)とジャケットのラペル幅を合わせるとバランスが良くなる」

というものがあり、市場で売っているネクタイの大剣幅から考えても、この7.5㎝~8.5㎝がオススメ。(海外ブランドのインポート系ネクタイは、少し太めく長い。)

 ※測り方は、自分の指の長さを(人差し指など)事前に何センチか図っておいて、当てがえばOK

 

ゴージライン(+α)

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ジャケットの上襟と下襟が重なるラインの事で、ここ何年かの主流はイタリアものの流行りからハイゴージ。(ゴージラインが高い位置にある事で、正面から見て上襟の見える面積が小さいという事。)

ゴージラインの高さも見た目に大きな影響を与えるのは間違いないが、それだけでなく下襟の角度が重要になってくるので、そこも見ておくべき点の1つ。

※ただこの辺は、完全に好みの問題になるので正解はない。

因みに、このジャケットは特にハイゴージではなく、普通のジャケット。先ほどの2つのジャケットなんかはハーゴージで今風。

 

ディティール(+α)

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最も多くの人が知っている高級ジャケットのディティールの1つが、この「本切羽」

これは、袖口のボタンが「開き見せ」のように装飾としてついているのでなく本当にボタンで開閉できるというものだ。

確かにこの仕様は高級ジャケット(ナポリ流)によく使われる1つのディティールなため、わざと第1ボタンを開けてアピールする人たちもいた程。

ただ実際この「本切羽」が良いかと言われれば、別にそんなことはない。

完全に好みの問題で、事実イギリス式のジャケットは超高級でも「本切羽」にはしない事が多い。(本切羽にしてしまうと、袖丈の調整がかなり困難になるため、息子世代にジャケットを受け継がせるイギリスでは、この仕様にしないというのが通説)

※他の細かい仕様を言い出すとキリがないので省略する

 

super’sについて(+α)

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基本的にsuper’〇〇sの数字は10ずつ上がっていき高くなればなるほど、高級スーツと言うのが通説だ。(super’80~200s程度まで)

しかしこの数値が高くなればなるほど良いスーツかと言われれば、そういうわけではなく、数値が高くなるほど原料が細くなるため繊細になる。

だから、就活で使用するスーツや、ガシガシ使うスーツはsuper’100s辺りがベスト

因みに、このsuper’〇〇sの表記を鵜呑みにするのは危険で、super’130と表記しているからと言って、生地を構成する繊維の全てがsuper’130である必要はないから、あくまでも目安程度にとどめておこう。

「これはsuper’150sだからいいスーツですよ」などの営業トークに騙されない様に。

※糸の細さを表す「番手」とスーツのsuper’〇〇sは別物。

 

生地について(+α)

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スーツの生地で最も有名な高級生地の2つがこの【エルメネジルドゼニア】と【ロロピアーナ】だ。

このラベルが張られているだけで、値段がそれなりに変わったりするのだが、注意して欲しいのが、このタグがはられているからいいスーツと言うわけではないという事

例えば、この画像左の【ゼニアの青ラベル】は正規のゼニアジャパンではなく、並行輸入品という事になり、右の【ロロピアーナのジランダー】にしてもフォーシーズンズという更に格上ともいえるラベルが、存在する。

このラベルが高級品の証となってしまっている現状、粗悪な偽物ラベルを張り付けて高く売ってしまおうという悪質なネットショップも存在するので注意。

更に言っておくと、このラベルは本来であれば外すものなのだが、高級品のアピールとしてつけられているだけだ。

ラベルがなくても袖を通しただけで、【ゼニア】や【ロロピアーナ】だとわかる人ならまだしも、分からないのであれば、こんなラベルに+〇万円お金を使うより、仕立てにお金を回す方がよっぽど賢い選択だ。

 

 良いジャケットの見分け方(+α)

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出典:左YOOX 右 UNIQLO

 良いジャケットを見分けるコツは、立体的か否か。 もちろん、いいジャケットが立体的で平面的なのが安いジャケット。(人体が立体なので)

細かいポイントはキリがないので省略するが、1つ最も分かりやすいポイントを教えておくと、ラペルのロール具合。

ふんわりと綺麗な曲線を描くのが良い仕立てのジャケットの証で、ペタッととってつけたようなラペル(襟)が浮いてしまっているのが安いジャケットの証。(もう少し言えば、安いジャケットのラペルは直線的で、ピンと張っている。)

※左のジャケットを1着買うなら、右のジャケットは150着買ってもおつりがくる。

 

いつ買うか 

最低でも(実際に使用する日の)2種間前。

「なぜ2週間前か?」

スーツを買ったことがない層は案外知らないかもしれないが、スーツパンツの裾はアンフィニッシュドで、必ず裾直しをするので、ある程度納期が必要。

また、貴方が就活スーツを買う時期は、他の就活生たちもスーツを買う時期になるので、1日~2日では仕上がらない可能性が高い。

1週間~10日見ればほぼ間違いないが、余裕を持つのが1番。(ONLYの2着38,000円のミニマルオーダーを考えるなら、3か月前程度

※実際準備が遅れてしまい、どうしても明日必要な場合「パンツを内側に折り返してクリップで留める」という応急処置かつ荒業もある。

 

着こなし方

これができるとカッコ良く着こなせるという(+α)的な要素と、絶対にやってはいけない事を書いていくので、【重要】だけは最低でも目を通しておいて欲しい。

サイジングが命【重要】

先ほどの項目の(+α)でジャケット選ぶのポイントを少し紹介したが、どんなに仕立てのいいジャケットでも既製品なら、サイズが合わなければ全て台無し。

サイズの合っていない100万のジャケットと、サイズの合っている2万のジャケットでは圧倒的に後者の方がカッコよく着こなせる。

また、スーツは通常のカジュアルな服に比べ更にサイズ感がシビアなのでよりジャストサイズを目指そう。

スーツの販売員に聞けばこの辺は教えてくれるが、Tシャツではなく、必ずシャツの上から試着すること。

そうでないと、微妙にフィッテイングが変わってくるので、シャツの下に透けない系のババシャツを着る人なら、それを着ていく必要があり、シャツの下にTシャツをきるのはNG(素肌の上に着る人は、シャツを着てスーツを買いに行こう)

※次回の記事で書くが、シャツはスーツ量販店で買う必要はない

 

肩で着る【重要】

「スーツは肩で着る」の格言通り、肩がしっかりはまっているかだけは最低限確認する必要がある。

他の部分の微妙なフィッティングに違和感を感じたとしても(既製品なのでしょうがない)肩だけは何があっても譲ってはいけない!!

 

色々動いてみる【重要】

座った状態で足を組む・歩いてみる・腕をグルグル回してみるなど、様々な事をしても違和感がないか確かめる必要がある。

直立状態でサイズが合っていると思っていても、動いてみると肩が張ったり、座るとウエストがきつかったり…etc

本当にあるあるなので、とにかく色々動いてみよう。

 

絶対にやってはいけない事【重要】

1番やってはいけない事で、やってる人が多いのは、ジャケットの1番下のボタンを留める事

これは、「たとえ太陽が西から東に昇ろうが、ジャケットの1番下のボタンは留めない」の格言の通り、ズボンのチャックが空いているよりも恥ずかしい行為と言ってもいいほど。

確かに誰も教えてくれないし、「そもそも留めないならボタンをつけるな」と思うかもしれないが、このボタンがなかったらなかったでバランスが悪くなる。

2番目にやってはいけない事で、やってる人が多いのは、シャツの下に普通のTシャツを着る事。(白以外のTシャツを着ている人はさらに論外で、白でも無地以外は論外。)

シャツの下に着ていいのは、肌色の透けないシームレスのババシャツの様なものだけ。もしくは着ないか。(高温多湿の日本では下に何も着ないなら、何かしらのケアが必要)

最期の1つが、室内(建物に入った瞬間で、部屋の前でぬぐのはNG)では必ずコートを脱ぎ、建物の外に出るまで着ないという事だ。

このルールを知っている人でも、帰りは面接や説明会が終わった時を抜きがちなので、建物を出るまではコート類は着ない様に!

 

覚えておくと便利(+α)

案外知られていないが、知っておくと便利なものを3つほど紹介していく。

フラップポケットの使い方

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このフラップポケットは、ほこりや雨の侵入を防ぐための蓋なので、室内ではしまい、室外では出すのが本来の使い方。

室外で蓋をしまっているのはNGだが、室内で蓋を出しているのはOKなため、忘れてしまいそうならずっと蓋を出しておくが良いだろう。

 

プロングループの使い方

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そもそもこのパンツのチャック付近にあるわっかの名称を知っている人は100人に1人のレベルだろうが、これは【プロングループ】という。※別称いくつか

使い方は画像の通りで、ベルトを通してズボンがずり落ちない様にするためのものだ。(みんなにもシェアしよう。多分誰も知らないので)

 

座ったときはボタンを開ける

これは結構知られているルールだが、スーツのボタンは座っているときは外し、立ち上がる際に留めるもの。

これはスーツの生地に負担をかけないためで、世界共通のマナー。

しかし、年配層の中にはこのマナーを知らない人も多く、ボタンを開けるのは失礼だと思う層がいるのも事実。(芸能関係者やニュースキャスターなど表向きに出る人が、このマナーを知っていてもボタンを開けないのは、1部の無知な層への配慮)

ただ、座った際にボタンを留めない事を無知だと思う層がいるのも事実なので、難しい所。

マナーとは本来、相手の気分を害さないためのルールであるため、相手に合わせるのが1番無難。

よって、相手が座った時にそっと外したのなら、こちらも外す。相手が外さないならこちらも外さないなどの気配りができると尚いいだろう。

 

カッコいい着こなしを目指して(+α)

本当は山のようにあるが、すべて紹介するとかえって混乱するだけなので、また別記事にまとめるとして、今回は5つほどポイントを紹介していく。

シャツはスーツの袖丈から1㎝~2㎝のぞかせる程度。

これ以上でも以下でもバランスが悪くなるので、自分の腕の長さをしっかり把握しておくといいだろう。

革小物の色は統一する。(名刺入れ・筆箱・ベルト・鞄・靴など)

できる事なら、革質も合わせると尚良いが、予算の問題もあるのでまずは色を揃えよう。黒が1番簡単で便利。(茶靴は使うシーンを選ぶため)

スーツジャケットのラペルの幅とネクタイの大剣の幅を合わす。

先ほども触れたように、これができるとベストだが、案外難しい。ネクタイの結び方などである程度調整できるが、気に入った柄があったからと安易に購入すると手持ちのジャケットと合わないなどの弊害が生じる。

スーツのポケットにものを入れない

これは着こなしの事をあまり考えていない層に多く、そこにポケットがあるんだから入れたい気持ちもわかるが、スーツのシワやシルエットを変形させる程、負担をかけてしまう事もあるので、入れてもハンカチ1つくらいにしよう

Vゾーンにこだわる

男のスーツでのお洒落は、詰まるところこのVゾーンに集約する。(次回のシャツで触れていくが)、スーツが安物でもシャツやネクタイがそれなりの物なら相対的に、スーツもいいものに見えるので、就活ルールから逸脱しない程度にこだわりたいところ。

 

まとめ

  • 何着買うか→2着がマスト
  • 予算はいくらか→4~6万(1着2~3万)
  • 何色を買うか→濃灰と濃紺(不安なら黒と濃紺)
  • どこで買うか→スーツ量販店かテーラー
  • いつ買うか→量販店なら2週間前、テーラーなら3か月前
  • どんなスーツを買うか→2ボタン・3ポケット・ノッチドラペル・シングルブレスト・無地
  • 損したくないなら、ブランド・ファッションブランドでは絶対に買わない事。
  • 就活開始までに時間があるなら、2着38,000円のミニマルオーダーが最オススメで時間がそれほどないなら、最寄りのスーツ量販店。
  • 試着時は、Tシャツの上からでなくシャツの上から試着し、色々と動いてみるのが大切。絶対に譲れないのは肩。
  • やってはいけない3マナーは、ジャケットの一番下のボタンを留めないシャツの下に普通のTシャツを着ないコート類は建物に入る前に脱ぎ、出てから着る
  • スーツの様々なルールやマナーを覚えるあまり、就活本来の活動をおろそかにするようなことはないように。(相手の気分を害さないのがマナーなので、そこだけ気を付ければOK)

 

ではこの辺で(絞ったはずなのに結局長くなった…)

*1:19,000円・28,000円などの価格だけを販売していたが、現在ではさらに細分化される事が多い

*2:パンツ上部のヒダ。パンツ中央の折り目であるセンタークリースとは別物で、ノープリーツ・1プリーツ・2プリーツがある

*3:シングルは通常の裾仕上げで、ダブルは折り返した仕上げ。ジーンズのロールアップの様な感じ