就活に最適なワイシャツの選び方【2019年版】
この記事は、前回と同様に
「各業界で使えるか、コストパフォーマンスに優れるか、就職後も使えるか、面接で高評価を得られるか・マイナス評価を受けにくいか、単純にかっこいいか、実際の失敗談、etc」
など様々なことを考えた上で正解を導き出していく。
前回のスーツについては、こちら☟
どんなシャツを買うか
この画像の様なシャツ☝で、ポイントは3点。
- レギュラーorセミワイドorワイドカラー
- 白色
- 無地or無地に近い柄
正直言って、たったこれだけ守れていればOK
【カラー】と言うのは、襟(えり)の事でレギュラーカラー・セミワイドカラー・ワイドカラーは左から順に画像の通り☟。
出典:OZIE
これらが定番の襟型で、ワイシャツに最も使用される襟型。
因みに、【カラー】と言っても様々で、他にも大体これくらい☟ある。(初めに載せた私物シャツは「ホリゾンタルカラー」といい、就活で使用してもOKだが、とりあえずはレギュラー・セミワイド・ワイドの3つと覚えておくといい)
左上から⇉順に、ナロースプレッド、ホリゾンタルカラー(カッタウェイ)、ショートポイント、フレンチカラー、ロングポイント、ボタンダウン、スナップダウン、タブカラー、ピンホールカラー、イタリアンカラー(ワンピースカラー)、ラウンドカラー、デュエボットーニ、トレボットーニ、クレリック、ウイングカラー。
この青枠で囲んだのは、就活時に実際に見た中で多かったオススメできない襟型。
青枠で囲んだ左上から順に説明していく。
就活シーンで使用者が多かったオススメできない襟型
・ボタンダウン
これが最も多い間違いの1つ。この襟型は、非常にカジュアルでスポーティーな襟型になり、就職活動の様なシーンには適さない襟型。
しかし実際問題、この襟型がカジュアルな襟型という事を知らない人は多く、使用した所で大した問題にはならないが、+査定はあり得ず-査定の可能性は否めないのでやめておいた方が無難。
・デュエボットーニ
イタリア語で「ボタンが2つ」と言う意味の襟型だが、何故オススメできないかと言うと、余計なデザインの安価なシャツに多くなってしまっている現状があるからだ。
だから、実際この襟型自体が悪いというわけではないが、あまり知識のない人が安易にこの襟型を選ぶと、周りからセンスを疑われるかもしれないので、避けた方が無難。
・クレリック
聖職者(クレリック)たちが着ていた襟型が名前の由来だが、何故オススメできないかと言うと、このシャツは襟の色・カフス(袖口)の色が違うからだ。
つまり、シャツ自体に色がついているからだ。(シャツが青で襟とカフスのみ白など)実際サックスブルー(水色)などは、正式なルール的には用いても問題ない色ではあると思うが、就活の風潮や日本の風土を考えるとオススメできない。
※因みに、先ほど紹介した15程の襟型も、就活で使用者が少ないorマイナーな襟型なだけで、基本は就活では使用しない方がいい。
何枚必要か
3枚~5枚。
なぜ前回の記事で示したスーツが2着に対して、シャツはこれ程必要なのかと言うと、シャツの方がスーツより肌に近く、汗やシミなどになり易いから。
また、白色のシャツはとにかく汚れが目立ち、「襟裏」「脇」「カフス」などの接触や摩擦が多い部分は尚の事。
白シャツは、その白さこそ命でありキモなので、黄ばみだけは絶対に避ける必要があり、毎日ローテーションしようと思えば5枚は必要だが、予算の事を考えて最低3枚という基準を設けた。
因みに、最低基準が何故3枚かと言うと、私自身が当初2枚で運用していたが、1日でも洗濯を怠るor雨などのトラブルに見舞われると、「生乾き臭」や「汗臭」がするシャツを着る羽目になるので、保険を考えて絶対に3枚は必要!!
綿100%かポリエステル混入か
よくあるワイシャツ界隈の議論だが、答えはない。
何故ならそれぞれが追求する点によって何が良いかが異なるので、着用者が何を重視するかが全てなため。
以下綿100%ポリ混の特徴を示していく。
※肌が弱い人は綿100%にしないと、襟や首などの摩擦が多い部分が痒くなったり、赤くなったりする(実体験)
ポリエステル混入シャツの特徴
- 比較的安価な事が多く、高級シャツは殆ど0に近い
- 仕立ても比較的簡素で、大量生産が多い
- 「形態安定シャツ」などはアイロンいらずで、保管がらくちん
- シワになりにくく、縮みにくい
- 通気性に優れず、汗はあまり吸わないが、乾きが早い
- 熱に弱く、アイロンなどでテカる
- 肌が弱い人は、肌トラブルが起きやすい
簡単に言うと、安価で、品質は優れないが、保管がしやすい
綿100%シャツの特徴
- 安価なものから高価なものまで存在し、5,000~50,000円程度
- 高いシャツになるほど、手仕事の量が増える
- アイロンなどの手間は大変
- 縮みやすく、シワになり易い
- 通気性に優れ汗を吸いやすいが、シミになり易く乾きにくい
- 熱に強いため、アイロンも安心
- 肌トラブルは、起きたためしがない(実体験)
簡単に言うと、高価で、品質のいいものも多く、管理は大変
綿生地の種類(+α)
因みに、一口に綿100%と言っても、ざっとこれくらい生地の種類☟はある。(一部)
出典:OZIE
左上から⇉の順に、ブロード、オックスフォード、サテン、シャンブレー、ローン、ボイル、刺し子織り、カラミ織り、ツイル、ヘリンボーン、ドビー、ジャガード。
※太字は綿のワイシャツによく使われる生地
また、この画像はわかりやすいように色のついた生地を使用しているだけで、白1色なら遠目から見ただけでは全く判断はつかないため、どの生地を就活に使用してもOK(あまりに柄が目立つ場合はやめたほうがいい)
参考までに白1色の各生地の見た目☟
出典:粋な着こなし
左からブロード、オックスフォード、ツイル、ヘリンボーン、ローン(画像が小さいから違いが分からないわけではなく、会話する距離程度では違いが殆ど分からない)
俺 綿・麻=素材の事なので、例えるなら牛肉や豚肉の様なもの。これらの生地がステーキとかハンバーグとか生姜焼き…などの事だよ
予算はいくらか
10,000円~45,000円程度。(3枚で)
何故ここまで大幅にブレるかと言うと、先ほど説明したように何を重視するかで、ポリシャツなのか綿シャツなのかが、変わるため。
下限を10,000円(1枚約3000円)にしたのは、「大特価!3枚3,000円」などのシャツは、明らかに質が劣るため流石にオススメできないため。
上限を約45,000円に設けたのは、1枚15,000円以上のシャツは、生地の質や手仕事の量が増えるが、かなり感性が鋭くないと違いが分からないため。
1枚1,000円のシャツと、1枚10,000円のシャツの違いは明らかだが、6,000円~15,000円程度の良いシャツと、35,000円程度のシャツの差は分かりにくい(実体験)
例えるなら、
- 1枚1,000円のシャツ→給食のコッペパン
- 1枚3,000~5,000円のシャツ→スーパーのパン
- 1枚6,000~15,000円程度の良いシャツ→パン屋さんのパン
- 1枚15,000円以上のシャツ→高級ベーカリーのパン
実際自分の懐具合と相談して折り合いをつければいいし、そもそもコッペパンと高級ベーカリーの違いが分からないのであれば、1枚1,000円のシャツがコスパ最強という事になる。
※注意点としては、3枚~5枚とも同じ価格帯で揃える事。(1枚だけ良いシャツを買ってしまうと、その1枚しか着たくなくなり、結果的に1枚しか持ってないのと同じことになってしまう。)
俺 因みに、なぜいちいち良いシャツと書くのかと言うと、1枚15,000円出せば95%それなりのシャツが買えるけど、6,000円~13,000円くらいまではどこで買うかによって大きく品質が変わるからだよ。
(シャツの価格別イメージ)
逆転の発想をすれば、スーツで5万円と言えば微妙な質になってくるが、シャツなら最高級が手に入るという事。
どこで買うか
コスパの良いシャツメーカーがイチ推し。
何故なら、前回同様に「餅は餅屋」の理論で、シャツを作り続けてきたメーカーの展開するブランドのシャツが最も質が高いから。
もう少し細かく言うと以下の5点。
1.余計なコストがかからない。(シャツの自社工場を持たない量販店はメーカーから仕入れる分、余分にコストがかかる)
2.高級生地・高級糸が使用される事が多い(綿1つとっても、高級綿と通常の綿が存在し、一般的に使う糸が細くなる=番手の数字が大きくなるほど高級)
3.蓄積されたノウハウ(シャツをメインに作り続けてきたメーカーと、片手間にシャツも製造している会社ではノウハウの差は歴然)
4.細部へのこだわり(袖付け、襟付け、カフス、前立て、ボタン付け…などのディティールを知り尽くし、ボタン1つをとってもこだわったものを選んでいる)
5.仕事が丁寧(大量生産の価格を安くする事にフォーカスしたシャツと違い、こだわりを持っているので、縫製も丁寧。)
良いシャツ・悪いシャツの違いは、こちら。(作成予定)
シャツメーカーのブランド紹介
3,000円~10,000円程の厳選したシャツブランドを6つ紹介していく。
ネットのみの展開でコストを抑えているようなブランドも紹介するが、必ず自分の「首回り」「裄丈」などのサイズを把握してから買う事。
シャツ屋やスーツ量販店ならどこでも図ってもらえるので、自分のサイズを今後のために必ずスマホなどにメモするように。
俺 図ってもらうと勿論、買う流れになるけど頑張って断ろう(笑)もしくは自分の持ってるカジュアルシャツを自分で図れば分かるよ。
鎌倉シャツ
アパレル業界の原価率が20%(販売価格が10,000円なら約2,000円が原価)と言われる中で、鎌倉シャツは55~60%の原価率を誇るコストパフォーマンス。(販売価格が6,000円なら原価率は約3,600円)
セールを絶対にしないというこだわりから、1枚5,900円という価格を実現しており、時期による買い損が存在しないためイチ押しの1つ。
公式サイト
メーカーズシャツ鎌倉 公式通販 | 日本製ワイシャツ ネクタイ ブラウス
カミチャニスタ
実店舗を持たず公式サイトのみの販売にすることで、1枚5,400円~という価格を実現しており、超人気ファッションディレクター干場義正氏とのコラボ商品も多数。
また、200番手の高級糸を使用したシャツが、7,000円台で買えるのも魅力の1つで、カスタムオーダーも10,800円~
公式サイト
CAMICIANISTA(カミチャニスタ)|ドレスシャツ・ワイシャツの通販
土井縫製所
メーカーの中でも創業60年以上の老舗で、既製シャツ、エントリーライン、カスタム、フルオ-ダーの4つのラインを設けており、既製シャツは1枚9,000円~。
※4つのラインの左から順に、オプションの幅(袖丈だけ直してほしい・襟やカフスを自分好み変えてほしいになど)が増えていくイメージ。
公式サイト
ドレスシャツ・ワイシャツ・カッターシャツの通販|土井縫工所オンラインショップ
軽井沢シャツ
既製シャツ、お任せオーダー、お好みオーダーの3つのラインを設けており、1枚約6,000円~お任せオーダーは襟型・ボタンのみしか選べないが、初心者にはあまり選択肢が多いとかえって迷うだけなので、お任せオーダーで良いだろう。
スポーツ体系などで、既製品のシャツのサイズが合わない人にとって、この金額でオーダーシャツが買えるのはありがたい。
公式サイト
BRICK HOUSE
よりサイズが合いやすいように体系別・袖の長さなどに分けて、何パターンか展開しており、1枚約3,000円~と非常にお手軽な価格。
余談になるが、このブリックハウスのシャツか先ほどの軽井沢シャツが、ドラマ相棒で反町氏が着ているシャツ。
公式サイト
ワイシャツ/Yシャツ・カッターシャツ通販のBRICK HOUSE by 東京シャツ公式通販 | シャツ工房
OZIE
六本木にショールームを持つのみで、殆どがネット販売のブランド。小ロットで展開しているため、時代に合わせた旬のシャツを提供しており、常に500点は在庫をしているので品ぞろえも豊富。
1枚約5,000円~で高品質なシャツを提供しており、シャツの基礎~応用の知識をホームページに掲載されているので、単純にシャツの勉強もできる。
公式サイト
着こなし方
少し細かく書いていくが、一番大事なのは「サイズ感」と「普段の手入れ」。
つまり、シワ・汚れのないシャツをジャストサイズで着ることが何よりも重要という事で、例え50,000円オーバーのシャツでも「黄ばみ」「シワ」「サイズが合っていない」などの問題があれば1,000円のシャツにも劣る。
洗濯時はカラーキーパーを外す【重要】
案外この【カラーキーパー】の存在を知らない人も多いが、襟がピンと立つ様にシャツの襟裏に入っている。※最近のシャツは入ってない事もしばしば。
洗濯時は必ず外すもので、外さないと洗濯時に外れて片方だけ行方不明になったりするので注意。(とはいえ、外してもそれほど問題なく、ワザと外す人も多い。)
綿シャツをアイロンいらずにする裏技【重要】
洗濯時に脱水せず、濡れた状態のままシャツを引っ張る事で、シワがかなりできにくくなるので、ズボラな一人暮らしの男性には特にオススメ。
襟裏や皮脂汚れの落とし方【重要】
少し頑固な黄ばみの落とし方を紹介する。(もちろん黄ばみは、放置すれば放置する程落ちにくくなる)
汚れが落ちにくい原因は、皮脂が混ざっているからであって、脂を先に落とさないと、脂がコーティングのような働きをしてしまう。
なので、重要なのは順番で1から順にしないと意味がない。
- まず脂を落とす
- 襟裏専用の汚れ落としを使う
- 歯ブラシで軽くこする
- 普通に洗濯機で回す
1.まずは、女性用の化粧落とし(なんでもいい)☟を2プッシュくらいして、軽く手で揉みこむ。
2.皮脂が落ちたら、これ☟を襟裏や汚れの部分に塗る。
3~4.歯ブラシでこすって汚れが落ちたら、通常の洗濯。
一度洗ってから着る(+α)
購入したばかりのシャツはたたまれているので、折り目がビッシリついており新品感が丸出し。
これはカッコいい着こなしを目指す上では、マイナスでしかないので購入後~着用するまでに一度洗うと、たたみジワが解消される。
保管の際はハンガーで(+α)
先ほどと同じく、たたみジワをつけないためには、ハンガーでつるして保管する必要がある。
スーツとの相性(+α)
ジャケットのラペル幅と、シャツの襟の大きさを大体合わせるとバランスが良く収まり、ラペル幅の広いジャケットに、小ぶりの襟のシャツを合わせると非常にバランスが悪くなってしまう。
余談だが、シャツの襟先がジャケットから見えるのを失礼と思う人もいるので、そういう事を考えると、セミワイドカラーにしておくのが無難。
ポケットの有無(+α)
安価なシャツにはポケットがついている事が殆どだが、高級シャツにポケットがついている事は極めて少ない。
購入してから、着用する前に外してしまえば(案外簡単)キレイに外す事が出来るので、外してしまうのも1つの選択肢としてアリ。
ディティール(+α)
出典:OZIE
今回少しのディティールを紹介していく。
カフスの種類
出典:OZIE
左から、【コンバーチブルカフス】【ダブルカフス】【ターンナップカフス】
コンバーチブルカフス・・・カフリンクス・ボタン共に留めることのできるボタン。
ダブルカフス・・・折り返してカフスボタンで留めるタイプ。
コンバーチブルカフス・・・折り返してボタンで留めるタイプ。
前立て
出典:OZIE
左から、【裏前立て】【表前立て】【比翼仕立て】。
裏前立て・・・エレガントでクラシックなタイプ。(イタリア・フランス式)
表前立て・・・堅実でカジュアルシャツに多い。(イギリス式はフォーマル)
比翼仕立て・・・ボタンが隠れるデザインなため、かなりフォーマルなシャツ。
ボタンの種類
出典:カミチャニスタ
安価なシャツでは、必ずプラスチックボタンが使われるが、良いシャツはほぼ間違いなく【白蝶貝】のボタンが使われる。
白蝶貝のボタンは、光の加減や見る角度によって光るが、プラスチックボタンと比較して割れやすいいので、その点には注意が必要。
ガゼット
出典:カミチャニスタ
高級シャツのディティールとしてはほぼ間違いなく、【ガゼット】がついている。これはシャツの甘い縫製からほつれを防ぐためのものだが、現代では高級シャツの証の1つとして装飾の意味で用いられる事が殆ど。
袖付け
出典:カミチャニスタ
写真から見ても分かるように、簡易縫製のシャツは腕を上げると、シャツ全体が引っ張られ腕を回しにくい。
対して後付けのシャツは、そのような事はないので長期間着るのであれば、着心地の差は歴然。
まとめ
- レギュラーorセミワイドorワイドカラー、白色、無地のシャツ
- オススメできない襟型は、ボタンダウン・デュエボットーニ・クレリック
- 何枚必要か→3~5枚
- ポリ混シャツは、安価で、品質は優れないが、保管がしやすい
- 綿シャツは、高価で、品質のいいものも多く、管理は大変
- 予算はいくらか→1枚3,000円~15,000円
- どこで買うか→コスパのいいシャツメーカーのシャツ
- 着こなしで一番大切なのは、「サイズ感」と「普段の手入れ」
- 洗濯時はカラーキーパーを外す
- シャツの黄ばみを落とす際は、クレンジングオイルで皮脂を落としてから
ではこの辺で