アウターの種類とオススメの着こなし方①【2019年版】
この記事では、男性のアウターの種類と着こなし方について解説していく。※今回はスーツの上にもギリギリ羽織っても良いようなアウターの紹介。
今回の記事の内容は、殆どこの記事↓に載せておいたが、画像ナシでは分かりにくいと思うので、詳しく解説していく。
- トレンチコート
- ステンカラーコート(バルマカーンコート)
- チェスターコート
- アルスターコート
- ポロコート
- ダッフルコート
- Pコート
- ダウンコート・ジャケット
- キルティングコート・ジャケット
- M-51(モッズコート)
- M-65(フィールドジャケット)
- オイルドジャケット
トレンチコート
冬着用・雨用コート。
1914年に誕生し、第一次世界大戦・第二次世界大戦で英国軍のために開発されたミリタリーコートで、トレンチコートの発祥は諸説あるが、起源と言われる二つのブランドが【バーバリー】と【アクアスキュータム】。
ディテールの全てが最前線で戦う兵士達のために作られたものだ。(ディティールを知りたいなら、この記事がもっとも分かりやすく書いてある。)
【特徴】
- スーツの上から着用可
- ダブルブレスト
- ラグランスリーブ*1
- てんこ盛りのディテール
- 比較的ロング丈のコート
- 雨に強く、頑丈でタフ
オススメの着方
【ポイント】
- ピシッと着るより、クタっと着た方がカッコよく決まる。
- トレンチのベルトも締めるより、適当に結んでしまうぐらいが丁度良く、垂らしていても構わない。
- 丈の長さも身長によっては、少し短めがいい。
- 当時の本格的なディティール(仕様)より、適度に削ぎ落されたとされたディティールの方が着やすい。
ステンカラーコート(バルマカーンコート)
冬着用・雨用コート。
第1ボタンを外しても掛けても着られる1枚襟の襟型(カラー)が最大の特徴。襟先のボタンを留めれば襟を立ててることも可能で、英国ではバルマカーンコート*2の名で知られているが、アメリカでは正式な呼び名がない。
ステンカラーコートは、スタンドフォールカラーが訛った和製英語で、最も有名なステンカラーコートは【マッキントッシュ】のゴム引きコート。
【特徴】
- スーツの上から着用可
- トレンチコートを簡略化したデザイン
- ラグランスリーブ
- 比翼仕立て*3のコートは、よりフォーマル
- ロング丈からショート丈まで種類は豊富
- 雨に強く、頑丈でタフ
オススメの着方
【ポイント】
- シャカシャカ系の雨に強い素材でないコートの方が、カジュアルでは着やすい。
- 細かい柄入りのコートの方が、カジュアルでは着やすい。
- 色はベージュや黒のイメージが強いが、それらにする必要は全くない。
- 丈の長さも身長によっては、少し短めがいい。
チェスターコート
冬着用コート。
起源は、19世紀にチェスターフィールド伯爵が着ていたコートで、正式名称は「チェスターフィールドコート」という。最もフォーマルなコートともいえ、冠婚葬祭からカジュアルシーンまで使える汎用性が人気。
ステンカラーコート同様、比翼仕立てが最もフォーマルなタイプのコートだが、現代ではオーダーで仕立てでもしない限りは見られない。
【特徴】
- スーツの上から着用可
- ダブルブレスト・シングルブレストどちらも存在
- テーラードジャケットの裾を長くしたような見た目
- ひざ丈程度の長さが一般的
- フラップポケット(蓋つき)のコートが、よりフォーマル
オススメの着方
【ポイント】
- カジュアルすぎるアイテムと合わせるより、それなりにフォーマルなアイテムのと合わせた方がカッコよく決まる。
- 襟を立てるなどのテクニックも1つの着こなし。
- 春・秋に着る際は、ジャケット代わりにシャツの上から着るくらいが丁度いい。
- ウエストが程よくシェイプされたチェスターコートを選ぶべし。
アルスターコート
冬着用コート。
貴族の旅行着が発祥の「トレンチコート」「ポロコート」の原型ともいえるダブルブレストのロング丈のコート。アルスターカラーと言われる襟型は、下襟よりも大きな上襟、浅いVゾーンなどが特徴的だ。
フリーズという生地を売りたいがために作られたコートが、アルスターコートでアルスター地方のベルファストから輸出されたのが名前の由来。
【特徴】
- スーツの上から着用可
- アルスターカラー
- ダブルブレスト
- 本来は着丈がひざ丈より長い
- ターンナップカフ(折り返し袖)が多い
- バックベルト(セルフベルト)付き
オススメの着方
【ポイント】
- カジュアルすぎるアイテムと合わせるより、それなりにフォーマルなアイテムのと合わせた方がカッコよく決まる。
- 襟が大きいタイプは、あまり立てない方が良い。
- チェスターコートよりも着丈が長い事が多いので、低身長者は避けた方が良いかもしれない。
- 着まわしやすさを重視するなら選ぶべきアイテムではない。
ポロコート
冬着用コート。
ポロ競技者が待ち時間に着た「ウェイトコート」が発祥と言われており、アメリカの【ブルックスブラザーズ社】がキャメルの生地を使って仕立てたアルスターコートのようなコートを、ポロコートと名付けた。(この画像がそう。)
国やブランドにより、アルスターコート呼んだりポロコートと呼んだりするので、ルーツこそ違うが現代においては同じコートと考えるのが良いだろう。
※本来であればキャメルヘア(ラクダの毛)を使ったコート以外は、ポロコートとは呼べない。
以下同一のため省略。
ダッフルコート
冬着用コート。
イギリス海軍や漁師発祥のコートで、防寒に特化するため厚手のメルトン生地を用い、漁師が手袋をした状態でも着脱しやすいように、ボタンではなく「トグル」という角の様なものをひっかけて留めるタイプのコート。
ダッフルはベルギーのアントワープ市に近い町の名で、【グローバーオール】が最も有名なイギリスブランド。可愛いと言われがちなコート。
【特徴】
- スーツの上からの着用は微妙な所
- メルトン生地
- トグル付き
- ひざ丈よりやや短いくらいの着丈
- フードがつきが多い
- フラップ付きのパッチポケット
オススメの着方
【ポイント】
- カジュアルなアイテムとの相性がいい。
- かなり厚手のタイプが多いので、特に秋冬専用。
- 色は、紺、黒、ベージュなどが鉄板だが、派手色に挑戦するのもアリ。
- どちらかと言えば、若者向けのコート。
Pコート
冬着用コート。
ダッフルコートと同じくイギリス海軍や漁師発祥。Pはオランダの衣服の「pij jekker」=「ラシャのコート」が派生して「Pea Jaket」になり、現在のPコートと言う名前になったと言われている。
メルトン生地で、大きな襟とダブルブレストのリーファフロント(左右どちらからでもボタンを留められる)が大きな特徴だ。
【特徴】
- スーツの上からの着用は微妙
- ダブルブレスト
- ショート丈
- リーファフロント
- マフポケット(縦に切れ込みの入ったポケット)
- ボタンにアンカー(碇)をあしらったものが多い
オススメの着方
【ポイント】
- 鉄板色や本来の色は、ネイビーだがカジュアルで着る際は柄入りでもOK
- 下にジャケットを着る際は、裾がでないようにする。
- 襟を立てるなら、半立てくらいが丁度いい。
- ボタンも左右どちらで留めても、留めなくてもOK
ダウンコート・ジャケット
冬着用コート(ジャケット)。
ダウンフェザー(水鳥の羽根毛、羽毛)を詰め物として使ったアウターの1種で、1936年に釣り用防寒着として開発した製品で、 ナイロン素材の生地をキルティング加工し、内部にダウンフェザーを詰めたもの。
当初はアウトドアブランドの製品が主だったが、【モンクレール】の爆発的な人気以降各ファッションブランドからの製品が増えてきている。
【特徴】
- スーツの上からの着用は微妙
- 千差万別のダウンの種類がある
- 丈もハーフタイプからロングまで様々
- ダウンベストやライトダウンも存在
- ダウンの占有率が高いほど良質なダウン*4
オススメの着方
【ポイント】
- ドレッシーなダウンにはドレスアイテムを、カジュアルなダウンにはカジュアルアイテムを合わせると良い。
- ライトダウンやダウンベストを除けば、冬専用のアイテム。
- 下にジャケットを着る際は、裾がでないようにコートタイプのダウンを選ぶ。
- 色は汎用性を考えるなら、暗い系の色がおすすめ。
- とにかく幅広いのでダウンのタイプに合わせて着こなしを替える必要あり。
キルティングコート・ジャケット
上着用コート(ジャケット)。
キルティング(中綿入りで全面にステッチ)生地を使ったアウターで、日本以外ではキルトジャケットと呼ばれる。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維を用いる事が多いジャケットなので、比較的安価である。
起源は乗馬用に用いたジャケットで、最も有名なのはイギリスの【ラベンハム】と言うブランドで、画像のダイヤモンドステッチが特徴的。
※キルティング生地を使ったアウターなので、決まった形はない
【特徴】
- スーツの上から着用は微妙
- キルティング
- ハーフコートが多い
- パッチポケットが多い
- ブラウン系・カーキ系の色が多い
オススメの着こなし
【ポイント】
- フォーマルすぎるアイテムより、カジュアルアイテムと合わせる方がいい。
- ブーツ系やトラディショナルアイテムとの相性がいい。
- 下にジャケットを着る際は、裾がでないようにする。
- キルティングジャケットのタイプによって着こなしは異なる。
M-51(モッズコート)
上着用コート。
50年代に採用された米軍の野戦防寒用衣料(フィールドジャケット)で、ロング丈にファーがあしらわれたフード、背側の裾がフィッシュテールと呼ばれる燕尾状の形なっている点が特徴的。
通説では、60年代のロンドンで流行していたモッズカルチャーから、ファッションアイテムとして人気に火がついたものとされていている。
【特徴】
- スーツの上からの着用は微妙
- ファー付きのフード付き
- ロング丈
- 着脱可能なボア付きのライナー
- 想像より重いものが多い
オススメの着こなし
【ポイント】
- スーツの上からの着用する際に、オリーブ色のモッズコートを選ぼうものなら織田裕二と言われかねない。
- なかなかボリュームのあるアウターなので、パンツは細身をチョイスする。
- 本当に想像以上に多いので、ネットで購入する際は注意。
- オリーブ色のド鉄板を着るならパンツは、「白・黒」がオススメ
M-65(フィールドジャケット)
上着用コート(ジャケット)。
最も有名なフィールドジャケット(野戦用ジャケット)の1種で、M-51の後継ジャケット。湾岸戦争やベトナム戦争でアメリカ軍が用いたジャケットだが、現代ではファッションアイテムとしてカジュアルシーンに用いられることも多い。
ジッパーを閉めさらにボタンを留める気密性の高いフロントの仕様や、両胸のベローズポケット、襟部分に収納できるフードが特徴的。
※現代では、各ブランドが、タウンユースしやすいように様々なディティールの改変を行っている。(画像は現代風)
【特徴】
- スーツの上からの着用は微妙
- フロントに4つのポケット
- ジッパー+ボタンのフロント
- てんこ盛りディティール
- ミドル~ショート丈
オススメの着こなし
【ポイント】
- 現代では綿製とナイロン製、混紡など様々なタイプがあるが、タイプによって着こなしを変えるのがおすすめ。
- ナイロン(シャカシャカ系)であれば多少は、ドレスアイテムと合わせても馴染む。
- 本格的な使用のジャケットは、男らしくタフなブーツ系との相性が良い。
- 殆どが、カーキ色だが「紺・黒」を選べば更に汎用性は高くなる。
オイルドジャケット
上着用・雨着用ジャケット。
カテゴリー的にはフィールドジャケットにカテゴライズされ、防水性を求めて開発されたオイルドクロス(オイルスキン)を用いたフィールドジャケットを、特にオイルドジャケットと呼ぶ。
北海に働く漁師や水夫・港湾労働者の作業着に使用されたジャケットで、殆ど英国ブランド【バブアー】の専売特許といえる。
【特徴】
- スーツの上からの着用は微妙
- 着こむほどにオイルが取れ独特の風合いが出る
- コーデュロイ地の襟
- 両脇にベローズポケット
- オイルのにおいが臭い
オススメの着こなし
【ポイント】
- 電車や車などの密閉空間で着る際は、においに注意する。(保管の際も注意)
- 匂いが原因で、オイル落としなるものも存在するが、オイル落としをするくらいならオイルドジャケットは買わないほうがいい。
- 大事に大事に扱うタイプのジャケットではなく、多少乱雑に取り扱うくらいが丁度いい付き合い方
- 上品に着るというより、男らしい着こなしがおすすめ。
出典は、男前研究所さんから
ではこの辺で