コーディネートの基本

案外知らないチェック柄の種類【2019年版】

今回の記事ではチェック柄の種類を、少しの説明を加えて紹介していく。

尚、実際に見かけない「ハーキリンチェック」などは紹介せず、「トーンオントーンチェック」のような言い出せばキリがなくなるチェックも紹介しない。

 

 

 ウィンドーペン(窓枠格子)

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英国発祥の伝統的な柄の一つで、近年では女性用衣類にも用いられるが、主に男性のドレスシャツ・スーツ・ジャケットなどに用いられる柄。

英語で「windowpane」と表記し「窓枠」の意味。カタカナ表記の場合は「ウィンドウペン・ウィンドペーン」など様々。

格子柄の幅が大きいので、どちらかと言えば大柄の男性に似合い、カジュアルと言うよりはフォーマルよりの柄。

 

タッタソール

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2色の線が交互に交差する格子柄で、イギリスの競馬の「タッタソール」において馬用毛布として用いられたのが名前の由来。

主に男性用のドレスシャツに用いられる柄で、格子柄の幅が狭いので、小柄な男性の方が似合いやすく、カジュアルというよりはフォーマルな柄。

 

グラフチェック

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方眼紙の様な格子柄で、「ラインチェック」と表記される事もある。

格子柄の幅は、「タッタソール」と同じくらいで、柄そのものは「ウィンドーペン」と同じ2色のシンプルな構成。

「タッタソール」と同じく、小柄の男性の方が似合いやすく、フォーマルよりな柄。

 

ギンガムチェック

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本来は「ギンガム」とは「ブロード」「オックスフォード」等と同じ、平織りの綿織物(生地)の名前だが、現在ではギンガム=チェックという認識が殆ど。

近年では「ギンガムチェック」に「ギンガム」生地を用いない場合も多く、単に「ブロード」などの生地に写真の様な見た目の柄をプリントしたものでも、ギンガムチェックという。

格子柄の幅は、「タッタソール」や「グラフチェック」と同じくらいだが、このあたりからフォーマルというよりもカジュアルな印象が強くなる。

 

チェッカー(市松模様

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2色の正方形を交互に配置した柄。(白黒・白紺が基本)

市松模様といわれる由来は、江戸時代の歌舞伎役者の佐野川市松が袴に用いたため。石畳模様・元禄模様とも言われ日本では最も馴染み深い柄の一つ。※チェッカーの由来はチェス盤から。

近年では、衣服にはあまり用いられない。

 

ブロックチェック

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一色の基本カラーのに同一色の濃淡の正方形を配置した柄。

ブロックチェックの定義は特に曖昧で、「市松模様」のような柄でも、「シェパードチェック」の様な柄でも、「弁慶格子」の様な柄でも「バッファローチェック」の様な柄でもブロックチェックと指す事がある。

要するに、正方形さえ用いれば「ブロックチェック」といえてしまうので、正式なチェック柄の一つとは認識しがたい。

 

ミニチェック

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遠目からでは、無地に見えるほど細かい格子柄。

マイクロチェック、ピンチェック、ピンヘッドチェック、ニートチェック、タイニーチェック…などとも呼ばれるが全て同じ柄。

殆ど無地に近い見た目のため、フォーマルに近い柄。

 

グレンチェック

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様々な細かい格子柄を組み合わせて作られる柄。(殆どの場合は「ハウンドトュース(千鳥格子)」や「ヘアラインチェック」が用いられる)

ウィンザー公(エドワード8世)が英国王子時代によく使用していたことから、プリンス・オブ・ウェールズチェックとも言われる。

主に男性用のジャケットやスーツに用いられるフォーマルな柄。

 

ハウンドトュース(千鳥格子

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写真の見た目の様な柄。(一般的な格子のイメージと異なるが、列記としたチェックの種類の一つ。)

「ハウンドトュース(猟犬の牙)」や「千鳥格子」と呼ばれるのは、その見た目からで、月の形が見る人によって「ウサギの餅つき」や「女性の横顔」見えるのと同じ。

主に男性用のジャケットやスーツに用いられるフォーマルな柄。

 

ガンクラブチェック

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2色以上の色を使った写真の様な格子柄。

主に茶色が含まれ、写真左側か右側のどちらかのタイプが大半で、アメリカ狩猟クラブのユニホームの柄が名前の由来。

主に男性用ジャケットやスーツに用いられるレトロでトラディショナル(伝統的)な柄。

 

シェファードチェック

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2色の濃淡構成の格子柄で、上下左右をつなぐ斜線が特徴。(主に白黒の構成が多い。)

スコットランドの羊飼い(シェパード)がこの柄を着用した事が名前の由来で、多色、使いになれば、「ガンクラブチェック」で、斜線がなければ「ブロックチェック」になる。

 

マドラスチチェック

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黄色・オレンジ・グリーンなどの明るい色合いが特徴の格子柄。

格子柄の大きさや色合いなど定義は存在せず、インドのマドラス地方の先染め糸で織られた平織物(生地)を使用すれば、「マドラスチェック」という。(近年では、写真の様な見て目ならプリントされたものでもマドラスチェックという。)

主にカジュアルシャツに用いられ、春夏限定ともいえる柄。

 

タータンチェック

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16世紀頃から愛用されているスコットランド(イギリス)発祥の伝統的な民族柄。

タータンチェックは登録制で、「スコットランド・タータン登記所」に70ポンド支払ってルールにのっとったチェックなら、世界中誰でも、新しいタータンを登録する事が出来る。(現在の登録数は推測で、数千種類~数万種類)

タータンチェックはカテゴリーだけで、

  • 「クラン / ファミリー(由緒ある氏族・家系)」
  • 「ネーム(個人の名前)」
  • 「ディストリクト(州や市)」
  • 「コーポレート(会社)」
  • 「ミリタリー(軍物)」
  • 「ロイヤル(皇族)」
  • 「ファッション(服飾ブランド)」

に分けられ、有名なもののみ紹介する。

「クラン/ファミリー」・・・ブキャナン家、キャンベル家、マクレガー家

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右のマクレガー家のチェックの別名が【バッファローチェック】キャンベル氏族のアーガイル公爵に、思いを寄せた一人の女性が送った靴下の柄が【アーガイルチェック*1

「ミリタリー」・・・ブラックウォッチ(イギリス監視隊)

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「ロイヤル」・・・ドレススチュワート、ロイヤルスチュワート、ドレスゴードン

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「ファッション」・・・バーバリーアクアスキュータム

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また一つのタータンでチェックで「モダン色:Modern」「アンティーク色:Antique」「風化色:Weathered  」「狩猟色:Hunting」「複製色:Reproduction」などがあり、それぞれでニュアンスが異なる。

(ブキャナン家 Modern Antique Weathered Hunting Reproduction)

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要するに(数の千種類or数万種類×5以上)のチェックが存在するので、チェックシャツで「このチェック何だろう?」というのは、殆どがタータンの一部という事。

 暇があれば、このサイト(生地のサイト)を覗いてみればタータンの多さが垣間見れる

 

 

画像出典:

https://www.rakuten.co.jp/solpano/

https://www.lochcarron.co.uk/fabric/

 

ではこの辺で

*1:

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この靴下を送った女性が自分の思いを伝えるために発案した柄で、見た目に反し編むのは複雑だったため、愛がないと編み上がらない柄と言われている