コーディネートの基本

【名作ファッションアイテム①】 アクアスキュータム トレンチコート 「Kings Gate」

この記事では、各ブランドが展開する「メンズファッションアイテム」の不朽の名作モデル(品名)を紹介していく。

例 「adidas スニーカー 」「adidas スニーカー スタンスミス

第1弾は【アクアスキュータム トレンチコート 「Kings Gate」】

 Aquascutumアクアスキュータム)とは

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1851年ジョン・エマリーによって創業された英国紳士服ブランド。

アクアスキュータム」の名前の由来は、1853年に防水加工を施したウール生地を初めて開発したからであり、アクアスキュータムラテン語で「水の盾」を意味する。

英国王室とはエドワード7世の時代からの付き合いで、1897年には英国王室御用達の証である【ロイヤルワラント*1】を獲得し、その後長きにわたって英国王室との関係は続いた。※現在はロイヤルワラントを所持していない

1900年からは、女性用のアウターデザインにも着手し、コートと帽子の機能性は当時、婦人参政権を訴えていた女性活動家達を中心に支持を得た。「鉄の女」で知られるマーガレット・サッチャーもアクアススキュータムを身にまとった著名人の内の一人。

1996年アトランタオリンピックにはイギリス代表の公式ユニフォームにも選ばれた実績を持っている。

しかし、アクアスキュータムの象徴ともいえる「トラッドスタイル」を貫いたことが時代の変化に対応できず、結果的に2012年に経営破綻に追い込まれたという事実も忘れてはいけない。

※経営難以降、買収・売却の過程でアクアスキュータムの親会社は何度か移り変わったが、現在のアクアスキュータムの母体は、レナウン(日本企業)親会社である中国の山東如意グループ。

経営破綻や親会社が何度か移り変わった事により、巷や大手メディアでも「アクアスキュータム」の評価が真っ二つに割れる事になってしまったが、アクアススキュータムの創業当初の精神やDNAは今でもしっかりと受け継がれている。

 

Aquascutum 公式サイト

https://aquascutum.jp/

 

(その他参考画像)

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左から「アクアスキュータム ハウスチェック」「1号店をオープンしたリージェントストリートの当時の街並み」「アクアスキュータムを着るサッチャー氏」

 

トレンチコートの発祥

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トレンチコートの発祥は諸説あるが、起源と言われる二つのブランドが「バーバリー」と「アクアスキュータム」だ。

※人によって、バーバリーが起源という人とアクアスキュータムが起源という人に分かれるが、今回は掘り下げない。

トレンチコートは1914年に誕生し、第一次世界大戦第二次世界大戦で英国軍のために開発されたミリタリーコート。

ディティールは「エポーレット」「Dリング」「ガンフラップ」「ストームポケット」「アンブレラヨーク」「ラグランスリーブ」等が用いられ、これらは一つ一つに意味があり、全てが最前線で戦う兵士達のために作られた無駄のないデザインだ。

例 エポーレット・・・階級を表すバッジをつける

  Dリング・・・手りゅう弾や地図を入れる

  ガンフラップ・・・銃を撃った時の衝撃を和らげる

  ラグランスリーブ・・・肩の稼働領域を広げ、動きを妨げない

もちろん戦争時の厳しい環境に耐えるため、トレンチコートは「耐寒性・耐久性・防水性」にも優れる。

そして戦後も、徹底的にこだわったデザインと、欠点のないスタイルにより、トレンチコートはイギリスファッション界に広まり、現在に至るまでこのディテールが受け継がれている。

 

2人の名優の存在

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トレンチコートが広まるに至って様々な名優がトレンチコートを羽織ってきたが、その中でも有名なのが、「ハンフリー・ボガード(左)」「アラン・ドロン(右)」両名だ。

特に「カサブランカ」でハンフリー・ボガードが演じたリックの着こなしや、「サムライ」でアラン・ドロンが演じたジェフの着こなしが有名で、トレンチコートを着る全ての男たちの憧れだ。

※女性なら「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘップバーンのホリーのトレンチコートが有名。

トレンチコートを着るなら「カサブランカ」「サムライ」は絶対に見るべきで、今回バーバリーではなくアクアスキュータムを紹介したのも彼らが役中で着ていたトレンチコートがアクアスキュータム製だからに他ならない!(映画としても不朽の名作で、両者が演じる男の性格は異なれど、とにかくシビれる!)

※実はハンフリー・ボガードは役中では着ておらず、映画のプロモーション用の写真やプライベートで着ていた。

 

(参考画像)

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左 ハンフリー・ボガードモデル(復刻版) 右 アラン・ドロンモデル(復刻版)

出典:https://gqjapan.jp/

 

「Kings Gate」

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アクアスキュータム「Kings way」のDNAを基に改良された超定番モデルで、アクアスキュータムを象徴するトレンチコートだ。(画像はカスタムバージョン)

価格は151,200 円。

ディテールは、「エポレット」「Dリング」「ガンフラップ」「アンブレラヨーク」等、第一次世界大戦で用いられたような本格的な仕様だ。

購入はこちら

 

近年のもタウンユースしやすいような、モダンでマイルドなデザインがいいなら「Prince Gate」「Kings Gate Slim」「Kings Walk」「Corby」等もオススメ。

 ※季節的な問題なのか売り切れだらけ

 

ではこの辺で

 

 

 

 

*1:英国王室御用達の称号。日本の皇室御用達とは違い「御用達」を勝手に名乗ることはできず、ロイヤルワラントの種類は全3種。現在ロイヤルワラントを認定できるのは、エリザベス女王エジンバラ公フィリップ殿下・チャールズ皇太子の3名で、1度認定を受けてから5年おきに更新されるので、品質の低下などが確認されれば剥奪される厳しい世界。